田村造酢株式会社は、紀ノ川流域で採れる「平たねなし柿」のみを丸ごと使用して、造ったお酢「ミヨノハナの柿酢」を製造・販売しています。

産官学連携柿酢プロジェクト

柿酢イメージ

和歌山県(官)和歌山県立医科大学(学)が2005年に「柿酢の健康調査」を行いました。

この時に使用されたのが、ミヨノハナの柿酢(産)です。そのため、上記の健康調査における結果は、 ミヨノハナの柿酢によるものになります。

柿酢の誕生秘話

本格的に柿酢造りを始めたのは1985年になります。

和歌山県は日本一の柿の生産量を誇りますが、それゆえに規格外の柿も大量に発生し、問題となっておりました。特に紀北地域で収穫される柿は評判が良く、高品質なことで有名で、味は変わらないが見た目が悪いというだけで規格外品として流通させることができないのはもったいない、柿農家の生産意欲を低下させたくないということで和歌山県の農協から、「規格外の柿の有効活用法として柿酢を開発してほしい」と先代社長(6代目久次郎 昌弘)にお話をいただいたことがきっかけでした。

戦前より混乱期において原料米の不足もあり、先代(6代目久次郎 昌弘)が米などの代替原料として地元産の柿を食酢に加工し、販売した経験はありましたが、味にこだわる現代の柿酢造りは“ゼロ”からのスタートでした。そこで、大学院で発酵工学を修了した現社長(7代目久次郎 章弘)が着手しました。

本来の果実酢は、果汁を酵母でアルコール発酵させ、お酒となった後、酢酸菌を加えて酢酸発酵させます。しかし柿は、他の果物とは違い、果汁のみを取り出すということが難しく、腐敗しやすい果物です。また、原料となる柿を100%活用したい(蔕、果皮、果肉すべて)という思いもあり、柿をまるごと使用できるように、最適な菌の組み合わせと発酵の環境を試行錯誤し、さらに柿酢の透明度を実現させるための研究も行い、完成までに3年かかりました。

規格外の柿を有効活用する、という原点は今も同じです。そのため、年によっては原料用の柿が確保できない課題もあります。柿の作柄や市場価格によっても仕込みができない年もあります。このように、柿酢造りはどこまでも柿生産と二人三脚です。柿生産は、和歌山県北部地域の重要な産業のひとつ。果実と加工品、互いの相乗効果によって地元の産業全体の活性化につなげていき、安心・安全な酢の製造に努めてまいります。

果実酢JAS規格

JAS規格での果実酢とは、醸造酢のうち、原材料として 1 種又は 2 種以上の果実を使用したもの(穀類及び果実以外の農産物並びに蜂蜜を使用していないものに限る。)で、その使用総量が醸造酢1 L につき果実の搾汁として300 g以上であるものを言います。


日本農林規格(JAS)における酢

種類 規格
米 酢・穀 物 酢 1 L中、米が 40 g 以上 + 「水」
果  実  酢 1 L中、果汁が 300 g 以上 + 「水」
ミヨノハナの柿酢 1 L中、すべてが柿。水分や他原料の添加なし。(柿100%)

柿酢の味について

「柿が原料だから甘いお酢」と思われている方も中にはいらっしゃいますが、柿に含まれております糖分は発酵過程で菌によって消費され、柿のような強い甘味は残っておりません。これだけの情報ですと「ただの酸っぱいお酢」となってしまいますが、そうではありません。

ミヨノハナの柿酢は、酢酸発酵(お酢にするための発酵)終了後、2年以上の熟成期間を設けております。発酵終了後の柿酢は、若々しさからくるカドのある酸味と風味があり、この状態では味の深みが足りません。熟成させる目的は、このカドをとって丸みのある酸味、そして深みのある味に仕上げるためです。熟成期間中も決して放置するのではなく、創業当時から引き継がれる集積の知識と経験、および最新の技術と品質管理における数値を参考に、熟練者が柿酢にとって最適な熟成方法を適宜とっております。

最適な熟成を行ったミヨノハナの柿酢は、澄んでおり、雑味がありません。すべての工程において大変な手間がかかっておりますが、すべては「おいしい柿酢」を造るためであり、そのためにかかる手間は一切惜しみません。

実際に長年ご愛用いただいておりますお客様からは、「フルーティで美味しい」、「酸味がまろやかで飲みやすくて続けやすい」、「風味が素晴らしい」などご好評いただいております。中には、「原液そのままでもまろやかで美味しい」と仰ってくださるお客様もいらっしゃいますが、長く柿酢を飲んでいただきたいので「水や、その他のもので希釈してお飲みください」と説明させていただいております。

創業200余年の(江戸文化五年)酢造り一筋のプロが持てる技術すべてを駆使し、長い時間をかけて発酵・熟成させたミヨノハナの柿酢は、“まろやかさ”、“奥深さ”、“透明度”に自信があります。ぜひ一度ご賞味ください。



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柿酢プロジェクト

柿酢プロジェクト

当社の持っております昔からの醸造技術と最新の醸造技術(菌の選定から熟成まで)を駆使し、自信を持って醸造のプロとして製造したものが『ミヨノハナの柿酢』となります。

柿100%ということは、水も足さず柿の水分だけで醸造しております。発酵は静置発酵法のため、手間がかかりますが、より口当たりや深みが増します。

そして2年以上の熟成期間を経て出荷されています。熟成期間を設けることにより、よりまろやかになります。

柿:平核無柿(ひらたねなしがき)